
石坂市長(右)に研究内容を説明する戸田さん(左から3人目)と仙波さん(同2人目)
学生科学賞で全国5位
真岡西中特設理科部3年 戸田さん、仙波さん
文化昨年末に行われた第66回日本学生科学賞の中央最終審査で、3年で真岡西中特設理科部の戸田萌那さん(15)と仙波巧也さん(15)が「水底コップの研究」で「全日本科学教育振興委員会賞」を受賞した。全国5位に当たる賞で、1月27日、真岡市役所で石坂真一市長に受賞を報告した。
2年間の成果「水底コップの研究」
同校は、科学的な分野に興味・関心のある生徒の特性を伸ばそうと、一昨年から特設理科部を創設。期間限定で活動を続けている。
「水底コップの研究」は、戸田さんが当たり前のように浮くはずの水底に沈めたコップが穴を開けただけで浮かばなくなる現象に興味を持ち、一昨年から同じクラスだった仙波さんに声を掛けて研究を始めた。
コップに開ける穴の位置や大きさ、数を変えるなど、数百に及ぶ実験を行い、疑問が生じる度に新たな仮説を立てた。コップ内の空気が気泡となって出るため、減圧現象が起こり、水槽の底に吸着すると結論付けた。
所属する卓球部、ソフトテニス部の活動がない日を実験に充て、データ処理にはタブレット端末をフル活用し、過程を五つの仮説と17の実験データで分かりやすくまとめた。
将来の夢は研究者という戸田さんは「興味のあることは研究していきたい」、仙波さんも「将来科学分野に進むとしたら今回の経験が生かせる」と話した。
担当の柴山隆志教諭は「実験で抱いた疑問を仮説を立てて根気よく証明していった過程が評価された」と分析。市村政幸校長も「大胆な発想の戸田さん、緻密な仙波君。2人は絶妙なペア」と栄誉をたたえた。
石坂市長は「受賞は努力の結晶。高校、大学としっかり目標を立て、素晴らしい研究で世界に羽ばたいてほしい」と激励した。
1957年創設の同賞。全国から応募があった計6万7千点から各都道府県代表の作品が中央審査に進んだ。書類審査で20作品に絞り込まれ、大学教授ら専門家によるオンライン審査を経て各賞が決まった。表彰式は昨年12月、東京・江東区の日本科学未来館で行われた。