高気圧酸素治療装置と中野院長(左)、黒田さん

県東唯一の高気圧酸素治療

芳賀中央病院 積極活用で地域貢献

社会

 社団医療法人弘全会芳賀中央病院(市貝町上根、中野智文院長)は、高気圧酸素治療を行っている。
 高気圧酸素治療とは、高気圧酸素治療装置内に患者が入り、日常の2倍の圧力を体に加え、100%酸素(通常は21%)を吸う事で、血液中の酸素量が増加し(約15倍)、各種疾患の症状改善を図る治療。
 主な対象疾患はガス壊疽、糖尿病性足病変、突発性難聴、骨髄炎、脳梗塞、腸閉塞など。保険適用で窓口負担は1万1000円(3割負担の場合)程度。また、健康保険適用外で肉離れ、靭帯損傷などスポーツ外傷の治療も積極的に行っている。
 同装置は有資格者のみが扱える医療行為で、同病院では臨床工学技士の黒田正人さんが治療にあたる。黒田さんは、県北の中核病院で緊急性の高い患者の治療に16年携わり、高気圧酸素治療は6000件以上治療経験がある。
 同病院は2020年8月、芳賀北部で唯一の一般病床を持つ医療機関として開院し、超高齢化社会の地域医療を支えるため、同装置を導入した。
 黒田さんは、新しい医療機器を導入し、地域の一人一人患者のニーズに沿った医療を行いたいという同病院の姿勢に共感し22年2月に入職した。
 同装置は、全長213㌢、全幅94㌢、全高129㌢。安全に治療ができるよう閉塞感の少ない内部が見える透明アクリル製で、患者とインターホンで通話可能だ。治療時間は約80分。
 県内は7施設で導入されており県東地域では同病院のみ。
 中野院長は「貴重な医療資源の積極的な活用を図り、地域医療に貢献したい」と話した。
 (問)芳賀中央病院0285・81・5400。

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