継承されるブルーベリー農園に集う会員と安藤さん夫妻

若者がブルーベリー農園の危機救う

両者の思い地域の媒体力でマッチング
農業や事業継承のモデルケースに

社会

 高齢化で農園の存続が危ぶまれていた茂木町山内のブルーベリー農園が、果樹栽培を目指して移住してきた新規就農者によって受け継がれることになった。両者がそれぞれに現況を発信したことが周囲の媒体力によりマッチングした。今年は共同で引継ぎ作業をしており、町は、農業が第3者に継承されるモデルケースになればと期待を寄せている。
 茂木町山内の「山里うぐいす農園」(茂垣一郎代表)は、平成12年、山内フルーツ村構想の一環で休耕地の活用と地域のコミュニティづくりを目的に、故馬籠博之さんのリーダーシップにより8軒で立ち上げた。当初は「ブル
ーベリーってなに」と認知度も低い中で、休耕地約50アールに600本余のブルーベリーを植栽。さまざまな職種の会員が休憩室や集荷所を手づくりで設営し農機具も揃えた。無農薬で順調な収穫、道の駅の加工所に出荷し、園児招待など地域活性に寄与している。
 しかし高齢化で会員は5軒に。余力のある内に更地にして閉園しようと話し合い、茂垣代表は、地域の前県農業大学校教授の茂垣敏雄さんに打ち明けた。
 一方、岩手県出身で東京に10年暮らしていた安藤孝人さん(39)、明夏さん(38)夫妻は、益子の陶芸家を訪ねるうちに「子育ては田舎で」と移住を決心。空き家バンクのもてぎ暮らしサポートセンターに相談し令和2年10月に同町町田に移住、町農業委員会に果樹栽培や農業を一から学ぶ意向を伝えた。職員は、敏雄さんに安藤さん夫妻の存在を伝えた。敏雄さんは、危機にあるうぐいす農園を思い出し、茂垣一郎代表に安藤さん夫妻を紹介、農園の継承が決まった。
 安藤さん宅では昨年、長男も誕生。孝人さんが県農業大学校で野菜、今年は、明夏さんが果樹について学んでいる。来年4月の独立に向け、今年は茂垣代表ら会員と選定作業や収穫など引継ぎ作業をしている。
 孝人さんは「町の親身な対応で移住できた。学ぶことで農業の難しさを知ったが、無農薬で愛情をもって農に関わりたい」と話す。茂垣代表は、「農業は地域に溶け込んでこそ。みんなで手伝うのでなんでも聞いて」と農機具も提供し、「自分たちのやり方で新たな時代を切り開いて欲しい」と惜しみない声援と労力を注ぐ。町は「既存の農業を第3者へ継承するモデルケースとして期待している」と注目している。

PDF版はこちら

今号の記事

カテゴリー一覧