第3刷を手にする添田健一代表(左)、事務局の永山富夫さん

第3刷(表)

第3刷(裏)

茂木町 「マンガもてぎ大水害」増版

~後世に貴重な災害の教訓を~
水害から35年の今夏ふみの森もてぎで原画展

文化

 茂木町は昭和61(1986)年8月5日未明、台風10号により大水害に見舞われた。水害から10年後、茂木水害をマンガで残す会(添田健一代表)が発足され、当時の茂木高校美術部員らが「マンガもてぎ大水害」に取り組み、7年の歳月をかけて第1版を発刊、今年は水害から35年目を迎えることから、貴重な教訓を後世にと、3月20日、第3刷250部が増版され、今夏、ふみの森もてぎで原画展(同実行委員会主催)が開催される。
 水害から10年経った平成8(1996)年8月8日、道の駅のもてぎプラザで、町主催の「水害10周年記念式典」が開催された。添田健一代表(87・農業)は、当時町会議員として出席した。式典後、「資料や写真以外にマンガで読みやすく水害の記憶を残せたら」と考えた。ちょうど栃木高校がマンガ甲子園全国大会で最優秀賞受賞した時で、次男が通う茂木高校長に相談したところ、美術部員や教員が賛同、2年の永山美智子さんを生徒代表として会を発足した。
 以来、永山さんはOGとなっても仲間や添田代表らと町民から聞き取り、写真集、町災害記録誌作成委員会、NTT栃木支社、県土木部河川課著の資料や自衛隊宇都宮駐屯からの情報など取材結果を災害の時間経過に合わせてストーリーを構成し7年かけて描き完成させた。役場、県、警察、医療、消防など関係機関、無線電話機の移動手段、避難命令、町民の避難、救助状況など、吹き出しの一字一句が貴重な資料となっている。
 原画はA4判で111ページ分を展示。原画を制作した益子町の永山美智子さん(41・会社員)は、「代表的な人物を取り上げているが、実際には誰もが同時に行動を起こしている。多くに見て頂きたい」と話す。
 第3刷は、A5判136ページ、700円。水害を知らない職員のために茂木町役場にも寄贈した。道の駅もてぎ、ふみの森もてぎ、永山表具センターで販売。
(問)会事務局永山富夫さん☎0285・63・5573

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