向かって左から桧山さん、横山さん、田口さん、鶴見さん

地域の絆 師弟の絆で絵・書の作品展27年

中学校の出逢いが人生の彩りに
茂木町横山昭三さん、桧山克夫さん、田口忠夫さん、鶴見弘子さん

日々是好日

 「大いに心が弾むねー」
 茂木町の横山昭三さん(92)は、茂木中学校の教え子3人と毎年絵や書を発表する「習作四人展」を開いており、今回27回目を迎える。
 作品展を一緒に開いている教え子は、今年、傘寿を迎えた同町の桧山克夫さん、田口忠夫さん、鶴見弘子さん。3人は昭和28年、横山さんが茂木中学校で社会科の教師をしていた時に入学した。
 横山さんは、当時、教壇に立つ傍ら、カメラを愛好し、部活動ではなく愛好会として生徒と一緒に撮影を楽しんでいた。後年、油絵にも興味を持ち、やがて宇都宮に通い基本を学んだ。平成5年、それまでに描いた作品をショッピングセンター「もぴあ」ホールで展示。これを機に教え子3人が参加した。
 桧山さんは、中学校で横山さんを通じて写真に興味を持ち、高校卒業後、日本大学写真学科に進んだ。写真家・篠山紀信氏は同級生で共に学んだ。たばこ生産農家を捉えた写真は多くの感動を呼んだ。美術館巡りをしていた時、油絵の描き方に興味を持った。写真とは違い、感動した風景に好きな花などを添えて描くことのできる絵画に傾注し、以来、レストラン「きしべ」を営む傍ら、風景をアレンジして作品制作を楽しんでいる。
 田口さんは、中学校で美術部に所属。水彩画を手掛け、後に油絵に転向。日本電電公社に入っても続け、勤務先の窓口に展示したり、社員らと趣味を発表する作品展を開いたりして社内の文化向上に努めた。一昨年、初の個展を開き500点を発表した。
 鶴見さんは、小中学校時代に書道、高校で美術部に所属しデッサンを学ぶ。デザイン学校を目指すも町役場に勤務。勤めながら作品を制作し、水彩で主に花などを描いたデザイン画、書は、町の広報誌のカットや各種印刷物に活用され彩りを添えた。四人展には、数年前から書を出品。書典会教授で現在、町民センターで書道愛好者の指導を行うなど活躍している。
 横山さんは、「飽きないでよく続くよね」と、嬉しそうに教え子たちを見つめ、教え子たちも中学時代からの出逢いの喜びを胸に、「お陰様です。横山先生にいつまでも元気でいてほしい」と、師弟の絆を再確認していた。
【習作四人展】11月20(金)~29日(日)。9~16時(最終日14時)水彩画、油絵、書作品約20点出展。(問)ふみの森☎0285・64・1023

今号の記事