鶴丸光世さん

今展で出品される縦町通り西側

東側

茂木町 昭和の町並みと賑わいイラストで蘇る

茂木の町並み絵巻展 北高岡の鶴丸光世さん(80)ふみの森で

催し物

 昭和の佇まいが残る茂木駅前通りを描いた「茂木の町並み絵巻展」が同町のふみの森もてぎで4月15日から開催される。デザイナーの鶴丸光世さん(81・同町北高岡)が、昭和の面影が残る貴重な風景を残したいとイラストで再現した。昨年4月に展示予定だったが新型コロナウイルスの影響で延期になっていたもので、多くが心待ちにし、早くもSNSなどで話題になっている。
 鶴丸光世さんは、妻の正子さん(79)とともに東京生まれの東京育ち。益子に移住した友人の影響で1989年、48歳の時、土地を決めた。住む以上は最期を迎える覚悟で、一本の木々も大切に伐採しようと2人で手弁当を持って東京から通い、地域の人の指導で雑木林を整備し家を建てた。25年間は週末の別荘として住み、2012年、72歳で移住してきた。
 ある時、町中を散策し閑散とした風景の中に板張りの壁、ペンキ塗りの屋根などが残るのを見て、「昭和が残る貴重な風景だ」と思い、この町並みを描こうと思った。スマートフォンで撮影し、つなぎ合わせた風景を元に鉛筆で描き色付けをした。忠実に描いた建造物に、地元のハーモニカ仲間から聞いたかつての町中の賑わい、映画のロケ、熱気球、夏祭り、閉めた店も絵の中で復活させるなどした。奥さんの正子さんも「自分も絵の中にいるようでワクワクします」と、準備の手伝いをしている。
 手書きイラストは、2年越しで完成。縦38㎝、横54㎝の画用紙で駅前から北の丁字路までの両側を48枚に描き、繋ぐと25mになる。展示は、左右を見ながら歩くと通りを歩いているかのように掲示される。正面には、祇園祭の神輿が展示される。また、多くの要望に応えて、すでに横町通りの制作も進めており、次回展示用の横町通りの原画の塗り絵を希望者には会場で5枚1組で配布し、自宅で色付けを楽しんでもらう。
 鶴丸さんは、「住み慣れた、見慣れた町の良さに気づいてもらえたら」と話す。
 「茂木町並み絵巻展」はふみの森もてぎギャラリーふくろうで4月15日~5月9日(4/19・26・5/6休館)。9~17時。

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