県教委主催の「しもつかれ 博」のチラシ

しもつかれブランド会議の 「しもつかれ博」のチラシ

栃木伝統の郷土料理「しもつかれ」を深掘り

あす宇都宮で博覧会同時開催

スポーツ

 毎年2月の初午の日(今年は5日)に食する本県を代表する郷土料理「しもつかれ」を深掘りし、由来や歴史、文化、調理法を考察、新たな楽しみ方にも焦点を当てた二つの「しもつかれ博」が4日(土)午前10時から、宇都宮市インターパーク6丁目のミナテラスとちぎで同時開催される。
県教委とブランド会議
 一つは県教育委員会主催の「しもつかれ博―探る〝千年フード〟」。パネルディスカッション形式で第1部は県教委が主導し、2021年から1年間、近隣5県などで実施した「とちぎの食文化調査研究発信事業」の成果を、民俗学や歴史学、食文化、生活文化、方言などの専門家を迎えて紹介する。
 第2部は「しもつかれを繋ぐ」。しもつかれ再評価のきっかけを作った市民団体「しもつかれブランド会議」の代表青栁徹さんやプロの料理人、しもつかれの缶詰を考案した県立馬頭高卒業生、料理研究家らが、この郷土料理の可能性を見いだし、次世代につなぐ方策を探る。郷土料理研究家髙橋久美子さんを講師に調理実演、試食会もある。
 同時に「しもつかれ博―繋ぐ〝千年フード〟」と題し、ブランド会議が新たな楽しみ方を提案する。真岡市の菓子工房こぶしのビスコッティなどの焼き菓子、馬頭高の缶詰など、現代的にアレンジされた料理に加え、島崎酒造(那須烏山市)とコラボした「下津家令酒(しもつかれさけ)」やアート作品、ファッション、ライブなど、多角的に楽しめる内容になっている。
 さらに「しもつかれウィーク2023」として5日(日)~11日(土)、栃木の新たな観光資源としてさまざまな店舗でその魅力を提案する。
 サケの頭や大豆、大根、ニンジン、酒粕などを煮込んだしもつかれ。栃木を中心に関東近県に分布する。調査の過程で、煮込まずに酢に漬け込むだけの調理法があったり、起源は千年前までさかのぼる可能性がある。
 ブランド会議は、独特な見た目と風味から敬遠されがちだった郷土料理に新たな価値観を見いだそうと、栃木市のブランディングデザイナー青栁さんが、しもつかれに関心を持つ飲食店主や料理研究家、農家などと2018年1月に立ち上げた。
 イベント開催や商品開発、レシピ考案など積極的に推進。食材を無駄にしない、家庭ごとに味が違う多様性、「お裾分け文化」など、SDGs(持続可能な開発目標)につながる、世界に誇れるサステナブルな郷土料理として再評価した。昨年、文化庁の「100年フード」団体に認定された。

今号の記事

カテゴリー一覧