山本さん(右から2番目)と参加者達

益子がより希望に満ち溢れた場所へ

プロと一緒にトレイルラン

スポーツ

 9月5日、益子町上大羽のカフェましこびと(黒子善久オーナー)で、日本を代表するプロトレイルランナーの山本健一さん(40)によるトークショーと、雨巻山を舞台にしたトレイルランニングが実施された。
 山本さんは山梨県韮崎市を拠点とし、高校・大学の体力作りの一環で始めたトレランに魅了され、この世界に入る。2002年から学校教諭を勤める傍ら、国内外の大会に参加。昨年教壇を去りプロに転向。12年にはフランスとスペインの国境にあるピレネー山脈で開催された「グランレイド・デ・ピレネー」に参加し、日本人初の優勝を成し遂げるなど、世界にも活動の幅を広げている。
 山本さんと黒子さんは山本さんの所属企業の有限会社フルマークスを通じて知り合い、食を大切にすることや、前を向いて夢に向かって進む思いが一致し、同イベントの開催が実現した。午前中は、ましこびとを発着点に、雨巻山山頂と周辺の約15㎞のトレイルランニングを実施。山本さんと黒子さんの他、トレラン愛好家15人が楽しみながら約4時間走り切った。
 午後のトークショーでは、山本さんがトレイルランナーになったきっかけや世界大会の話、山の魅力などを語り、参加者達は熱心に耳を傾けていた。山本さんはプロに転向したことについて「教員はとても楽しい仕事でしたが、自分の気持ちに正直になりこの道を選んだ」と話し、現在の状況に「コロナで大会などは中止になっていますが、家族と過ごす時間が増え、子ども達の成長を肌で感じる事が出来、悪い事ばかりではないなとポジティブに捉えています」と明るく語っていた。
 主催した黒子さんは「このイベントは『こんな時だからこそ下を向くのではなく、夢や希望を持ってもらいたい』と企画しました。山本さんの世界観、風や水、光を五感で感じ、いつもの雨巻山とは違った。一緒にゴールした参加者たちの笑顔を見た時、開催して良かったと心から思った」と熱く語っていた。また、参加した茨城県ひたちなか市在住の野澤由季さん(43)は「世界で活躍されている方が、私達と同じ目線で走り盛り上げてくれた。山の楽しさを更に感じさせてもらいました」と喜びを語っていた。

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