若者は今 若い世代に夢をとコンテスト創設

アントレプレナー(起業家)育成促し、共生型社会を
㈱アオキシンテック代表取締役社長 青木圭太さん(40)

日々是好日

 ㈱アオキシンテック青木圭太社長は、次代を担う若い世代に、夢を考えるきっかけをつくり、ビジネスに触れる機会を持ってもらおうと『とちぎアントレプレナーコンテスト』や学校での出前授業など、地域を活性化させる試みを継続的に行っている。
 事の発端は11年前。中国の技能実習生と面談した際、現地の若者たちが、「社長になりたい」「ビジネスを具体的化したい」といった明確な目標があるのに対し、日本の学生は、「ビジネスに触れる機会がない」「お金についての教育も受けていない」という現実に直面し、このままでは日本の国力は衰退してしまうのではと危惧し、『とちぎアントレプレナーコンテスト』のアイデアを思い付いた。
 その後、各所でそのアイデアを発信しているうちに、協力企業・協力団体が現れ、ついには栃木県・県教育委員会の後援も受け、2013年に第1回大会が実現した。
 回を重ねるごとに、協力者・協力企業・参加者が増え、8回目を迎えた昨年のコンテストでは、過去最高の3371組の応募者がエントリーするまでになった。
 今では、学生が考えるビジネスプラン作成に家族も協力し、家庭内のコミュニケーション不足が解消されたり、社長への道を父兄が応援してくれたりするケースもあるという。
 青木社長は、「一生のうちに多くの時間を働くことに費やすのなら、やらされ仕事ではなく、本当に好きな仕事をしてほしい」と語る。
 昨年3月、同社は創業30周年を機に、社名を「青木製作所」から「アオキシンテック」に変えた。社名変更には、「他者との協業を重視する経営」を意図し、多くの協力企業との共生、社内での部署を超えた連携により時代を拓くという思いがこめられている。
 これまでに、同コンテストから、麹発酵食品開発・販売を手がける株式会社アグクルの小泉泰英社長をはじめ、6名の社長が生まれており、青木社長らとともに、彼らがさらに成長し、会社と会社・人と人との連携により、新しい価値が生まれ、社会を変える原動力となることが期待される。

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