「高舘当帰」畑で認定証と薬膳そばを持つ落合さん

薬草栽培で人も地域も元気に

ユキヒロファーム 農水省から事業認定

文化

益子町長堤のユキヒロファーム(代表=落合啓人さん)は、今春3月、薬草による新たな商品開発の取り組みが農林水産省から「六次産業化・総合化事業計画」に認定された。
 落合さんは4年前、江戸時代に薩摩藩では効能の高さから門外不出とされてきた伝承植物「日本山人参=ヒュウガトウキ」に出会った。以来、家族の健康を目的に、耕作放棄地を活用し、苗を取り寄せて栽培している。
 町のシンボル高舘山の名をつけた「高舘当帰」として商標登録し、地域資源として認められ、町の認定農業者となった。
 落合さん(47)は、プログラマーの仕事の傍ら「高舘当帰」の育苗から収穫、商品開発まで取り組み、葉と茎をパウダーにした。「多少の苦みがあり、半年間、毎日少量をご飯に振りかけたりみそ汁やコーヒーに入れたりして効能を実感している」という。試験販売が好評で完売したため、耕作を1500㎡に広げ約1500株を栽培している。またそば粉に入れた「薬膳そば」も発案し道の駅ましこで販売している。
 今後5ケ年計画で進める、カワラケツメイ、ナタマメなど5種類をブレンドした「五福草」の開発事業が農水省から認定を受けたもので、工房の整備を進める。
「高舘当帰」は、多年草で益子の土地と相性が良く発芽率も高く育てやすい。栽培により「遊休農地の解消、地域住民の健康づくりをめざしたい」と意欲を燃やす。
(問)落合さん☎0285・81・3639

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