ハウス内の様子

贈答用の箱入りバナナ

栽培に携わるスタッフ(前列一番左が塚田代表取締役)

贈答用バナナ栽培が最盛期

農薬不使用で安全品質 株式会社あやね

文化

益子町で土木工事業や建材業などを営む「塚田グループ」の㈱あやね(塚田彩音代表取締役)は、2018年の設立以来、地域の特産として「高品質で安全な果物」を生産・販売。同町生田目の熱帯果樹栽培ハウスでは、贈答用に適した「黄金ときめきバナナ」の栽培が最盛期を迎えている。
 「黄金ときめきバナナ」はグロスミッチェル種で、市販されている外国産のバナナよりも太く、長さは22~23㌢、重さは300㌘を超える。当初はグループの取引先に贈呈する目的で栽培していたが、好評だったため事業化に踏み切った。
 濃厚で甘さが強く、華やかな香りとねっとりとした食感が特徴。先が丸く膨らむまで成熟させてから収穫した後、室と呼ばれる追熟施設で徹底した温度管理を行い、色が緑から黄色に変わると食べごろを迎える。
 約1100平方㍍のハウス内にバナナの木が約100本植えられており、1本の木から200本ほど収穫できる。栽培に適した温度は18~35度だが、夏期はハウス内が40度を超えるため、十分に水を与えるなど、状態には細心の注意を払う。
 収穫時は高さ6~7㍍の木にはしごを掛け、丁寧に房を切り取る。葉は約2㍍の大きさになるが、耐久性が強く、料理の器や紙の原料として再利用できる。
 栽培には農薬を一切使用しないため、果実の表皮がアザミウマの食害に遭う個体もある。開発事業部青果物開発課の小松誠課長は「できるだけ表皮の見栄えが良いものを生産しようとしているが、一部は食害されてしまう。農薬不使用の現れです」と語る。
 インターネットから5本5000円(税込み)で購入できるほか、東武宇都宮百貨店や道の駅ましこでも取り扱っており、益子町へのふるさと納税の返礼品にも指定されている。
 ハウスでの直売にも対応しており、規格外のバナナは安く購入できるが、在庫は時期によって異なるため、事前の確認が必要となる。施設内の見学も可能で、地元の幼稚園児は初めて見るバナナの木に大きな歓声を上げるという。
 同社はバナナ以外にも、パイナップルやマンゴーをハウス栽培。二酸化炭素の吸収量が多く、低炭素社会の実現に寄与する「早生桐」の栽培も手掛けている。
塚田代表取締役は「地域に愛され、地域に貢献できる会社が目標。バナナ栽培は4年目を迎えたが、おいしいバナナをより多くの方に食べてもらえるよう、さらなる品質の向上を目指していきたい」と笑顔で今後の展望を語っていた。
 詳細に関する問い合わせは、本社☎0285・81・7331、ハウス☎0285・81・6927へ。

今号の記事