高橋生華「蓋物(ぽんぽん菊、はす)」

高橋奈己「白磁水指」

若杉聖子「恋ひ」

猪倉髙志「かげを纏うかたち」

伊藤剛俊「鐵蓮透々花器」

和田的「白器『自転車』」

鋳込みと削り
多彩な造形美

益子陶芸美術館企画展

催し物

益子陶芸美術館で4月2日まで開催中の企画展「新たなカタチを求めて」。磁土の特性を最大限に生かし、型(鋳込み)と削りの技法を駆使して自由自在に造形美を創り出す6人の作家を取り上げた。
 鋳込みなど型成形は女性作家3人。高橋生華さんは磁土に顔料を染みこませた花びら一つ一つを丁寧に貼り付けた繊細な蓋物群、凜とした 「白」の特性を生かし非対称に「果実」を抽象化して鋳込む高橋奈己さん。ハスをモチーフにした茶器で知られる若杉聖子さん。棘を思わせるエッジの効いた作品は見もの。
 削りの猪倉髙志さんはろくろで成形した後、表面を削って「線」を際立たせたオブジェ作品は見る角度を選ばない。唯一、町内在住の伊藤剛俊さんはゴシック建築を思わせる緻密な透かし彫りは見る人を驚かせる。一年のほとんどを削りの作業に充てているという和田的さん。シャープな直線と柔らかな曲線で構成した作品は光と影を巧みに演出する。
 (問)同館0285・72・7555。

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