ホープ塾 堀野恭一

文化

少し難しい話をします。
 チャットGPTというAIが開発されました。
 英語や日本語の文章を打ち込むと、それに答えてくれます。「感情を持っていますか」「持っていません、しかし理解できます」とか、「未来のことが分かりますか」「分かりません」という会話ができます。「日本の今の時刻は?」と初めて尋ねた時、間違った答えを返してきました。何日か経って、また同じ質問をすると「分かりません」と答えました。そして、いくつか時刻を知る方法を教えてくれました。
 チャットGPTは成長するAIなので、間違えて答える状態から分からないと答える状態に成長したのです。間違えて答えることとわからないと答えることのどちらが良いかは、時と場合によると思います。勉強に関していうと、間違えるということと、分からないということは同じこともあるかも知れません。ややこしくなってしまったので、話を簡単にすると、「分からない」ということが分かるというのも一つの学びと言えるということです。
 少し言葉を考えると「知らない」ことを知るというのも学びということです。先日、一年前に卒業した生徒が福島県立医科大学の医学部に推薦合格したことを報告に訪れてくれました。輝く顔はまぶしくてよく見えないほどでした。目の水分調節機能がうまく働かなかったせいかもしれません。

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