三宅正さん

お干菓子「梅」と「ウグイス」

菓子の心伝え 県食品技術功労者

地域貢献と後継者育成
紅谷三宅の三宅さん

社会

 長年にわたり調理や製造技術を磨き、後継者育成に尽力したとして真岡市並木町2丁目の御菓子司「紅谷三宅」初代店主三宅正さん(80)は2月2日、令和5年度県食品技術功労者表彰を受けた。
 益子町の和菓子店の次男として生まれ、高校時代はサッカーに熱中し、青春を謳歌した。
 成人し、和菓子職人として生計を立てようと、新宿の「紅谷」、宇都宮市の「はるのや」などで約8年間、和菓子、洋生菓子など菓子類の全てを学び、1990年、46歳で店を構えた。
 菓子づくりでは、日本最大の菓子業界の展示会「全国菓子大博覧会」で会長賞など3度入賞。地域貢献では、真岡北陵高、真岡女子高茶道部で菓子作りや提供の仕方を教えた。また、長沼小、大内西小、幼稚園などでケーキ作り、市民講座で和菓子作りを伝授した。
 店は現在、長男の正晃さん(32)が「癒しのどうぶつねりきり」など時代に合った菓子を提供し、話題を呼んでいる。「息子に全部教えて良かった、と思ったら表彰された」とほほ笑む。「菓子はとろみ、くちどけが命。心を込めて作る」が信条で、菓子づくりの心は見事に引き継がれた。

PDF版はこちら

今号の記事