瑞宝単光章(消防功労) 円滑な消防団運営に功績

上三川町多功 野沢一夫さん(73)

社会

 野沢さんは昭和25年1月24日生まれ。県立宇都宮農業高を卒業後、家業の農業に従事し、昭和50年11月に上三川町消防団入団。分団長を14年、副団長を4年務めた後、平成14年から6年間、団長として円滑な団の運営に努め、20年3月に退団するまでの32年4カ月間、地域住民の生命・財産保護に多大な功績を残した。
 公職としては、平成14年4月~20年3月に町防犯協会副会長を務め、23年6月からは町土地改良区副理事長の要職にある。表彰関係では、平成8年に消防関係功労者知事表彰、18年には日本消防協会および消防庁長官から永年勤続功労章を授与された。
 リーダーシップに優れ、地域からの信頼も厚い。昭和61年8月の台風10号襲来時には、分団長として水防活動を指揮。野沢さんの的確な状況判断、冷静沈着な行動が評価され、同消防団は建設省(当時)から水防功労団体として表彰された。
 近年は団員確保が大きな課題となっているが、野沢さんは「団員の会社員割合が増えているため、勤務先の理解が必要不可欠になる」と活動の難しさに言及。コロナ禍による行事や訓練の自粛に関しては「団結力が薄れてしまいがちだが、団員には地域の安全・安心の守り手としての使命を強く自覚してほしい」と願う。
 現在は、妻と長男夫婦、孫2人との6人暮らし。73歳となった今も、アスパラガスやホウレンソウの生産に精を出す。
 趣味はゴルフと「片道2時間かけてでも行く」というそばの食べ歩き。今後は「健康を第一に考え、孫の成長を見守っていきたい」と目を細めていた。

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