夕食タイムで出来たてのごちそうをおいしそうに食べる児童たち

子ども食堂を開設する長谷沼代表(左)と千田副代表

炊き込みご飯やすいとん豚汁、サラダなどを手際よく調理するボランティアの主婦たち

地域で居場所つくろう

5月、益子に「子ども食堂」

社会

 「子どもが安心できる居場所づくりを」と益子町塙の女性2人が5月24日、益子西小学校区に「子ども食堂」を開設する。3月15日、町社会福祉協議会の子育て支援事業の一環で立ち上げ支援するお試しの「食堂」が開設場所の塙自治会公民館に〝開店〟。ボランティアの主婦らの協力で地元農家から無償提供された食材で調理した出来たての炊き込みご飯、すいとん豚汁などを児童、保護者ら約40人に提供した。

塙の女性2人、町社協が後押し

 食堂を開設する2人は「tetote.Life(手と手・ライフ)ましこ町子ども食堂」の長谷沼紀子代表(64)と千田空里子副代表(38)。
 長谷沼代表は認定心理士や看護師の資格を持ち、助産師でもある千田副代表は同町益子でカフェ&ギャラリー「千とマロン」を営む。
 3年前、コロナワクチン接種のアルバイトで知り合い、「地域で子どもや大人も集える『食堂』を」と意気投合した。
 全国的に子ども食堂が増加する中、町民から開設に向けて相談があったため、町社協が町内4小学校区内での開設支援に乗り出した。
 運営に携わるボランティアスタッフを募る勉強会を開催。講師は子ども食堂サポートセンター・とちぎ(宇都宮市)の荻野友香里さん。県内の草分け「昭和こども食堂」の責任者も務める。
 昨年10月、初のお試し食堂が益子小学校区の「ヒジノワ」で開設され、2人も参加した。
 15日のお試し食堂は午後3時半すぎスタート。厨房でベテラン主婦らが道の駅ましこに納品する地元農家から無償提供されたイチゴや野菜など地場産食材を使って手際よく調理した。
 放課後に続々と集まる児童は元小学校長から勉強、宿題を教わったり、おもちゃで遊んだり。夕食タイムは「おいしい」を連発する児童らの笑顔であふれた。「帰り際、『次はいつあるの』と声を掛けられ、励みになる」と長谷沼代表。
 当面は月1回、ゆくゆくは月2回の開設を目指している。開設日には2人の資格を生かし、子育て中の母親や妊産婦の悩み相談にも応じたいという。
 4月以降も田野小、七井小学校区で開設する。ファミリーマート(同)と全国の子ども食堂立ち上げを支援する認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京)の応援プログラムの助成も受けた。
 町社協地域福祉係の高橋千佳子さんは「貧困対策はもちろん、食を通じた子どもの居場所づくり、一人暮らしのお年寄りらとの多世代交流で孤立を防ぎたい」と食堂開設支援の意図を話した。

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