手術を見守る藤村教授(左)と遠隔操作する亀田医師(右)

右から藤村教授、本多院長、亀田医師

芳賀日赤 手術支援ロボット導入

前立腺全摘除術、年70例目指す
県東保健医療圏で初

社会

芳賀赤十字病院(真岡市中郷、本多正徳院長)は、県東保健医療圏で初となる内視鏡下手術支援ロボット「ダビィンチXi」を令和5年度から導入した。4月10日、第1症例の手術を行った。
 対象は市内50代男性の前立腺がん患者で、自治医科大学腎泌尿器外科学講座の藤村哲也教授の指導の下、芳賀日赤泌尿器科主任部長の亀田智弘医師が担当した。手術時間は約2時間で、藤村教授は「出血も少なくスピーディーに終え、大成功」と語り、亀田医師は「自治医大で30例弱の経験がありうまくいった」と述べた。患者は約1週間で退院した。
 ダビィンチXiは最先端の手術支援ロボット。医師は座った姿勢で両手足を使ってロボットを操作し、患者から離れて遠隔操作で執刀する。
 メリットについて藤村教授は「3D画像や手振れ補正機能などの装置により精密な剝離と縫合ができる。1㌢の傷が6カ所くらいで済む」と述べた。
 芳賀日赤は2020年に本多院長が就任し、ロボット手術導入に向け藤村教授の協力を得ながら、ワーキンググループを立ち上げ準備を進めてきた。
 同病院では今後、年間70例以上の運用を目指す。将来的には、ぼうこうがんや腎がん、さらに消化器系や婦人科系のがんへの適応拡大にも努力するという。
 本多院長は「患者の生活の質を考え、低侵襲(痛みや発熱、出血などをできるだけ少なくする医療)で安全な治療を提供するため導入した。地域住民がここで治療を受けられるメリットは大きいと思う」と話した。

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