丸山さん(右)と見目町長

棟方志功の肉筆画など寄贈

丸山さんが町の文化振興に役立ててと

社会

 芳賀町祖母井の丸山悦郎さん(86)は12月10日、芳賀町総合情報館に棟方志功肉筆画1点他を「町の芸術文化振興に役立ててほしい」と寄贈した。他に寄贈品は川上澄生版画8点と石膏像9体。丸山さんから見目匡町長に寄贈品目録が贈呈された。
 丸山さんは、芳賀郡市内の中学校で美術科教諭や校長を勤め、退職後、芳賀絵画教室を開いて現在に至る。また芳賀町社会教育委員兼公民館運営審議会委員を長年務め、平成13年に町政功労賞を受賞。現在は町美術愛好会顧問を務めている。
 寄贈された棟方志功の肉筆画「天地明炎之韻妃図」(縦45・4㎝×横35・2㎝)は、棟方が1950年代にアメリカニューヨークで制作したとされる墨と岩彩で女人を描いた作品。当時アメリカに住んでいた丸山さんの実弟が約45年前、フィラデルフィアの骨董市で購入し、丸山さんに譲渡された。丸山さんは「棟方の女人像は無数にあるがこの作品は表情が非常に良い。ほのぼのとして清楚な中にもほのかな色気を感じる」と作品についてコメントした。
 油絵を描いていた棟方は川上澄生の「初夏の風」を見て版画の道に進んだとされる。川上の作品8点を同時に寄贈したことに「川上の作品はユーモアがあって郷愁を感じさせ、心癒される作品。町民の皆さんに楽しんで頂きたい」と作品を託した。
 寄贈された作品は、町総合情報館で今後展示等に活用していく予定。石膏像は、芳賀中学校アート部や生涯学習センターを中心に活動する美術サークルで活用してもらう。

今号の記事