表彰状を手にする永嶋さん

永嶋さんが厚生労働大臣表彰

永年の遺族援護功労で

文化

 市貝町市塙の永嶋静江さん(86)は12月10日、令和2年度援護事業功労者厚生労働大臣表彰を受賞した。
 多年にわたり戦没者遺族、戦傷病者等の援護事業に携わり、功績が顕著な人を表彰しているもので今回の受賞は県内唯一。
 永嶋さんは、10歳の時戦争で父親を亡くした。母親の農業を助け2人の妹の面倒を見ながら勉強に励み、宇都宮大学を卒業して36年間教壇に立った。平成2年に市貝町遺族会理事に就任し英霊の供養や宇都宮の護国神社の慰霊祭に参加するなど会の運営を支えた。
 平成14年より、市貝町遺族会副会長に就任し、毎年8月に行われる町慰霊祭では準備や取りまとめ等を積極的に行ってきた。
 また、町遺族会から委託され市貝小で社会科授業の一環として戦争体験を語り、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝え10年になる。
 永嶋さんの戦争体験は平成25年、県遺族会連合会発刊の「太平洋戦争戦没者遺児の記録・苦しみの日々」に掲載、DVDにも収録され、県内図書館等に寄贈された。母・ハツさんは、同年、98歳で天寿を全うした。
 永嶋さんは「国から表彰状を頂くとは光栄の至りです。今後も英霊の供養を忘れることなく、平和の誓いを伝えていきたい」と話している。

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