生命力豊か 桜の古木

本県出身の二紀会会員櫻田絢子さん
大作など、古里で初個展

文化

本県出身で宮城県在住の洋画家櫻田絢子さんの、古里・栃木で初の個展が6月3日(土)~14日(水)、益子町益子のアートスペースほんたく(つかもと内)で開かれる。
 現在、一般社団法人二紀会会員で二紀会宮城支部長を務める櫻田さんは、宇都宮大美術科在学中からアジサイやキリの花など四季の「花」を描き続け、60年以上になる。自身の名前から「人生の最後は描こうと決めていた」という「桜」をテーマにして27年目に入った。
 題材は山形、長野、福島、山梨、岐阜など全国各地の桜の古木。生命力を象徴(暗示)する血の赤を基調に、精緻に描いた無数の花びらと生命力豊かな太い幹。「数百年、千年を超える命の偉大さ、つながる命、その未来を描いてきた」という老樹の命のすごみは見る人を圧倒する。
 桜を中心に100号~150号の大作20点、小品などを展示。F130号「ひかり抱き」=写真=は福島県三春町の「三春滝桜」がベースだ。
 ふるさとで初の個展会場に選んだのが陶芸の里益子の、2本のケヤキの大樹と共にある築130年以上の歴史的建造物。櫻田さんは「古民家の約50畳の大空間で桜の老樹たちがどう咲き誇るのか、楽しみ」と話している。
 会場は今年3月、「つかもと」創業家の本宅がアート&イベントスペースとしてオープンした。地元の陶芸家ら6人が管理、運営する。6月8、9日は休館。(問)同所0285・72・3633。

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