茂木警察署の第78代署長に石川義之署長

社会

町民の安心安全を守る
茂木署石川義之署長(52)
 30年の警察官人生で20年は刑事畑を歩いてきた。痛感するのは「人命の尊さ」。大震災被災地に2度派遣された経験が今でも心に重くのしかかる。
 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災。関東管区警察局機動隊員として現場に赴き、がれきの山を目の当たりにした。崩れ落ちた高層ビル、高速道路…自然災害の脅威にがくぜんとした。
 16年後の2011年3月11日、東日本大震災も多くの尊い命を奪った。県警捜査一課検視指導官として宮城県石巻市で2週間、数多くの遺体の身元特定に奔走した。「早く遺族の元に帰してあげたい」との使命感だった。
 「常に目的を持って行動」が信条。前任の県警刑事部捜査第三課長の1年間、本部8階まで毎日階段で出退勤した。
 新任地の印象は「のどかな風景と人情味あふれる住民、子どもたちも明るく伸び伸び育っている」。ベテランぞろいの署員36人を前に「一人一人が占める役割が大きい。団結し住民の安心安全のため頑張ろう」と初訓示した。
 管内(茂木、市貝町)は交通事故や犯罪が少ないが、発生がないわけではない。「特殊詐欺の被害に遭いやすい高齢者も守っていきたい」と抱負を述べた。
 自宅は宇都宮市。通算6年の単身赴任で自炊には自信がある。

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