庭の葉ボタンと大畑さん(手前)、清子さんと郡司さん

キラリ人生 葉ボタンで圧巻の冬の彩り

種から育て友人にもあげて喜ばれる
益子町山本原  大幡節さん(81)清子さん(78)

日々是好日

 10年前、買い求めた3株の葉ボタンに魅せられた。今では自宅の庭や玄関先、地域の道路沿い、公共の場所まで、大幡さんが種を蒔いて育てた約800株の葉ボタンがモノトーンの景色を彩り、訪れた人や道行く人の目を楽しませている。
 大幡さんは、農業の傍ら20年間会社勤めをし、定年後10年間にわたり野菜の種採りに仕事として携わった。70歳で体を壊したが、時間に余裕ができ何かをしたいと模索していた矢先に葉ボタンと出会った。
 葉ボタンは、菜の花系で種も採れることから採種した種や買った種を7月中旬に播き、8月中旬に元気な苗を選び畑に移植、10月下旬から11月上旬に花壇に定植する。白や紫の慎ましやかな色合いの葉ボタンがずらりと植え付けられた光景は、上品で訪れた人たちが息を呑む美しさだ。株は、友人知人にも分けて喜ばれている。
 当初は鉢植え仕立てにしていたが、水やりを考慮して地植えにしている。花が咲き、芯が出てきたら茎を詰めてやると脇芽が出て「おどり葉ボタン」として小ぶりの葉ボタンがたくさん付き、生け花にも喜ばれる。今年は800株を育て、道路沿いから玄関、庭へのアプローチも見事だ。大幡さんが旅行で知り合った、同町の陶芸家・郡司正一さん(74)も大畑さんの葉ボタン庭園に魅せられたⅠ人で「まず見事。多くの人に見て知ってほしい」と絶賛している。
 葉ボタンは3月頃まで鑑賞でき、奥さんの清子さん(78)も嬉しそうに夫の作業を手伝い、見守る。葉ボタンが終わると、春はチューリップ、日光キスゲ、ネモフィラ、夏はポーチュラカ、ダリアに植え替えて四季の花を楽しんでいる。
 大幡さんは、葉ボタンの花ことばは「笑顔で包む愛の花」と、優しい笑顔で語り、「欲しい方には分けてあげたい」と、花を通じての交流に想いを馳せる。

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