賞状を手にする鷺谷さん

鷺谷さん(真岡市)が準文芸賞

県芸術祭文芸賞短歌部門

文化

 真岡市飯貝の鷺谷祥子さん(72)は、令和2年度第74回栃木県芸術祭文芸賞短歌部門で準文芸賞を受賞。12月10日、県公館で表彰式が行われた。作品は栃木県文化協会出版の「文芸栃木74」に掲載された。
 受賞作は「山よ」で46年かけて「日本百名山」を達成した山行の出来事を一連10首で詠んだもの。
 鷺谷さんは平成28年から、同市台町の島内美代さんの勧めで短歌を始め、毎月短歌雑誌「波濤」に投稿して研鑽を積んでいる。当初は自然の移ろいや介護する父を題材にした作品が多かったが、昨年、島内さんから「山をテーマにしてみては」とアドバイスを受け、その時の出来事と気持ちを思い出し、「岩肌をつかみて登りし笠ケ岳ブロッケン現象に両手をかざす」「全山にミヤマキリシマ咲き誇る久住山頂霧雨の中」などと一気に詠み応募した。審査では「登山した山々の名に加え、鳥や花などの名が一連を豊かに彩り、登山用語が無理なく入り、臨場感を伝えている」と評された。
 鷺谷さんは「作歌は、作品として残り、思い出になります。また、作品を通して感動を分かち合えることが魅力です」と話した。

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