仕上げの稽古に励む出演者ら=2月3日、ゆずもホール

5年ぶり感動の舞台

茂木の演劇集団が結成10周年記念公演
ミュージカル「奇蹟の朝に…」

文化

 茂木町のアマチュア演劇集団「もてぎde演劇を創る会(MET)」(都野祐俊代表)は、結成10周年記念公演のミュージカル「奇蹟の朝に…」を3月9日(土)、10日(日)に茂木町民センターゆずもホール、同23日(土)、24日(日)は益子町民会館ホールで上演する。
 両親を亡くし、ミルク売りの祖父と貧しくもつましく暮らすネロとパトラッシュ。クリスマスイブの夜、生きる希望を失いかけたネロがたどり着いたのは…。
 児童文学の名作「フランダースの犬」が原作の2時間半の舞台。貧困、差別など、現代に通じる悲劇を盛り込みながら、希望を持ち生きる大切さを感動的に描いた。
 5年前の再演で演者は約30人。スタッフを加え総勢70人が昨年9月から稽古に入った。前回より出演者が増え、A・B公演として初めて一部ダブルキャストで本番に臨む。
 本番まで1週間。茂木、益子の会場で毎週土曜日、仕上げの通し稽古にも熱がこもる。
 今回ネロは5年前パトラッシュ役だった小林優馬さん。祖父ジェハンを演じる同町上後郷の陶芸家成田真澄さんは20代のころ、舞台俳優だった経歴を持つ。さらに県オペラ協会の村山哲也会長、村山啓子さん夫妻と小倉伸一さん、那須塩原市、劇団らくりん座の大河内真由美さんと、宇都宮市の男声合唱団のベテラン4人衆が舞台を引き締める。
 脚本、演出担当の江藤寛さん(84)は「今年結成70年の劇団『星のひろば』、茂木合唱団など、茂木町には演劇、合唱、ダンスなど文化の素地があった」と話す。
 会が結成された2014年、創設者渡辺力栄さん(2022年11月13日没、享年89)と「人を呼べるミュージカルを」と意気投合。町の町村合併60周年記念公演として初上演。5年前、再演を望む声に、作曲家上野哲生さんの音楽で地元茂木と大田原で披露。観客が涙した伝説の舞台になった。
茂木公演9日は午後6時、10日午後1時、益子公演は23日午後6時、24日午後1時開演。大人千円、高校生以下500円。(問)MET連絡所・電話予約090・2458・4012(午前10時~午後6時)

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