芭蕉の実と黒崎さん

苞の元に実が付く

芳賀町 芭蕉にバナナのような実

西高橋の黒崎さん宅で例年より早期に結実

社会

 芳賀町西高橋の黒崎英夫さん(85・農業)宅の庭先で芭蕉の木に例年より3ケ月も早く花が咲きバナナのような実を付けた。風に揺れる青々とした大きな葉が青空に映え、庭先に南国情緒を醸し出している。
 芭蕉は、バショウ科バショウ属の大型の多年草。中国が原産といわれ、熱帯性のバナナとは違い耐寒性があり本州の露地でも育つ。高さ2~3mになり約1・5m、幅50㎝程の大きな葉を付け、冬になると枯れ、春に新しい芽がでる。バナナの花は紫色だが芭蕉の花は黄色で実はバナナにそっくり。
 例年7月頃に蕾を付け秋ごろまで次々に実を付けるが、今年は4月頃から蕾が出て現在、7本の太い茎に約4~5㎝ほどのバナナのような青い実が段々に一列に10本近く付いている。黒崎さんは、「昨年は枯れた株を切らなかったから花芽が寒さから逃れたのか、それとも温暖化で花芽が早く付いたのか」と不思議そうに語る。
 芭蕉の木は、黒崎さんが幼い頃からあり、「誰が植えたのか分からない。100年くらい経つのでは」と話し、「子どものころ青い実を食べたら苦かった」と笑う。根を掘ると里芋のような種だという。
 黒崎さんは一昨年、「一般的には珍しいと思うのでみんなに見てほしい」と、秋の町民祭の会場や知人の店で飾ってもらった。多くの人が『初めて見た』と驚き興味深く見入っていたという。

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